2019年度は,最終年度として研究の総仕上げを行った。まず、全体の概要であるが、研究成果を、著書2冊と論文2本にまとめた。著書は1冊をすでに刊行し、もう1冊は今年度中に刊行予定である。また、論文2本のうち、いずれも国際学術誌(査読有)に投稿した。1本は今年度中に刊行されることが決定しており、もう1本は査読中である。 具体的には、研究全体を包括する著書として、Descriptive Analysis of Sound in Audiovisual Translation of American and Japanese Movies(仮題)を執筆した。現在、刊行に向けて編集作業を行っている。また、近接の翻訳領域から本件をサポートする著書として、Translating Kumpei Higashi: Critical and Creative Approachesを、2019年に刊行した。 次に、論文では、"Dubbing of Sound in the Samurai Movie Love and Honor: A Comparison of Japanese and English Language Versions" が、inTRAlinea誌から刊行されることが決まっている。さらに、日米映画の沈黙の量的な比較研究として、"What Happens to Silences in Audiovisual Translation? A Quantitative Study of American and Japanese Dubbed Films" を国際学術誌に投稿し、現在、査読者たちとの最終的なやりとりを進めている。あわせて、効果音や背景音楽、セリフの間や沈黙など音声面から視聴覚翻訳研究の更なる発展に資するべく、今後も「日米映画の沈黙データベース」の構築を継続する計画である。
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