日米映画の吹き替え版において、音声非言語(背景音楽や効果音、パラ言語など)に加えられる脚色について量的観点と質的観点から分析した結果、まず、音声に施される脚色の程度には言語間で差があることがわかった。さらに、その差はジャンル間でも大きいことが判明した。次に、元となる音源は世界の地域単位で共通している場合がある一方で、同じ音源を用いた国同士でも、それぞれの言語文化の影響で作品中の沈黙の数や位置が変わることを明らかにした。そして、音声非言語に、削除をはじめとする様々な操作が加えられる要因として、異質な音声のローカリゼーション、音声同期、視覚と聴覚のメッセージの一致という3点を指摘した。
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