研究課題/領域番号 |
15K02383
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
大場 静枝 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (60547024)
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研究分担者 |
山内 淳 日本大学, 芸術学部, 教授 (20210320)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 『バルザス=ブレイス』 / ラ・ヴィルマルケ / 民謡 / バルザス=ブレイス論争 / ブルターニュ文学 / フランス文学 / ロマン主義 |
研究実績の概要 |
平成29年度の研究グループは『バルザス=ブレイス』の翻訳・編集作業を中心に研究活動を行った。個別研究では、前半は『バルザス=ブレイス』のテキスト分析と「バルザス=ブレイス論争」の争点と背景を探る研究を継続し、後半はブルターニュのイメージとロマン主義との関係、『バルザス=ブレイス』のフランス文学やブルターニュ文学への影響、フランス文学における民謡作品の受容と位置づけに関する研究に着手した。 『バルザス=ブレイス』の翻訳については、翻訳書『ブルターニュ古謡集 バルザス=ブレイス』を2018年2月に彩流社から刊行した。なお、同翻訳書には、研究会や監訳者の校閲を通して、研究過程で得られたテキスト分析の知見が反映されている。 「バルザス=ブレイス論争」の研究では、ルネ=フランソワ・ルメンやフランソワ=マリ・リュゼル、エルネスト・ルナンの言説の分析を継続した。ブルターニュのイメージとロマン主義との関係、『バルザス=ブレイス』が与えた影響及びフランス文学における民謡作品の受容と位置づけに関する研究では、ジョルジュ・サンドやジェラール・ド・ネルヴァルなど民謡収集を行っていた作家たちの民謡観やブルターニュ出身の作家たちの作品を検討した。具体的には、ジョルジュ・サンドの「村の散策」やネルヴァルの「フランスの古いバラード」「ヴァロワ地方の民謡と伝説」、エミール・スーヴェストルの『最後のブルトン人』、オーギュスト・ブリズーの詩集『マリ』を取り上げた。本研究一部は、『広島国際研究』(2017年11月、pp. 61-73)及び『ブルターニュ古謡集 バルザス=ブレイス』の「解説」(pp. 436-455)を通して公表された。 研究会合については、平成29年5月、7月、9月、11月に各1回計4回の会合を、日本大学芸術学部江古田キャンパスにて開催し、主に翻訳の問題点や解釈に関する討論と編集作業を行った。
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