研究課題/領域番号 |
15K02394
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
伊勢 晃 同志社大学, グローバル・コミュニケーション学部, 教授 (00379059)
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研究分担者 |
伊藤 洋司 中央大学, 経済学部, 教授 (10384728)
佐藤 文郎 京都嵯峨芸術大学, 芸術学部, 教授 (30434773)
森田 いく子 京都嵯峨芸術大学, 芸術学部, 講師 (50460697)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ベル・エポック / エスプリ・ヌーヴォー / アポリネール / 芸術思潮 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,新しい文学・芸術風土を創出しながらも現在では忘却されているマイナーな雑誌や小新聞,群小作家や芸術家を視野に入れながら,ベル・エポック期のフランスにおける「エスプリ・ヌーヴォー」の諸相を実証的に明らかにすることにある。そして最終的には,これらメディアの方向性とそれぞれの相互関係,文壇や画壇,映画産業との関わりを明確にし,ベル・エポック期フランスにおける文学・芸術思潮の立体的で詳細な「地図」を描くことを当面の目標としている。 平成27年度は基盤研究(C)の初年度であり,次年度以降の展開に向けた基礎的研究の段階として位置づけており,基本的には代表者および研究分担者は各個人ごとに担当分野の研究を推進しつつ,先行研究の徹底的な比較検討とデータの整備を行ってきた。 また,夏期休暇期間中の9月に研究代表者が渡仏し,フランス国立図書館やパリ第3大学,書店,古書店等で必要な資料調査を集中的に行った。特筆すべきこととしては,パリ第10大学教授ロランス・カンパ氏とパリ第3大学名誉教授ダニエル・デルブレイユ氏と直接面談し,本研究の方向性についての意見交換,研究交流をはかると同時にアポリネール没後100年を迎える2018年度にむけての研究活動についても話あったことにある。またこの渡仏を利用して,パリ第12大学准教授のキャロル・オルエ氏と会合を持ち,ベル・エポック期およびその後の文学と映画についての知見を得ることができ,日本とフランスとの共同研究体制が一層整備できたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者および分担者に,公私ともに予期せぬ業務等が生じ,時間的な問題から研究成果の公表の一部に未達成の部分があるものの,研究課題はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に前年度と同じく,各個人の研究スケジュールに従って,担当分野の研究を推進し,作業を継続する。収集した資料の分析と考察を行い,校注を作成する。 5月初旬に研究代表者が渡仏し,研究協力者であるパリ第3大学名誉教授ダニエル・デルブレイユ氏およびパリ第10大学教授ロランス・カンパ氏と会い最新の研究動向を把握するとともに引き続き共同研究について意見を交換する。また,来年度計画している来日講演会について,人選も含め打ち合わせをする。 5月末の日本フランス語フランス文学会を利用して東京に集合し,必要な資料や情報について意見交換する。冬期休暇中に原則としてメンバー全員が集まり,各自の研究の進捗状況を報告し,それぞれの研究成果の発表方法について話し合う。3月に研究成果公表のための研究会を開催したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた書籍の入手が当該年度に間に合わなかったために次年度使用額が生じることになった。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度に当該書物も含め,資料購入に使用する。
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