現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度(平成27年度)は詩人バイフが使用したと考えられる当時のギリシア語テクストのエディション、ギリシアの韻律に関する当時の書物、そして彼が利用しえたと思われる古注、バイフの身近にいたフランスの古典学者の注解群を、フランスの諸図書館を中心に徹底的に調査しリストを作成することを目標とした。いずれも貴重図書セクションの所蔵になり、アクセスが必ずしも簡単ではなく、比較的短い現地での滞在期間の中で調査できる範囲は限られたが、ピンダロス研究・古典学史研究で著名なPascale Hummel, Philologia Lyricaを始めとする諸研究を活用して、ある網羅的とまでは言えないまでもそれなりに整理と分類の作業は進んできた。次に、そうして整理を行った諸資料のうち、より詳細な考察の対象としたのは1550年代から1570年代にかけての資料であり、中でもパリで活躍した古典学者Adrien Turnebeの以下のエディションである。 1.Sophocleous Tragoediai...Demetriou tou Tricliniou peri metron hois echresato Sophocles, peri schematon, Sholia, Paris, apud A. Turnebum, 1553. 2. Hespaistios...Enchiridion peri metron kai poiematon eis to auto scholia, Paris, apud A. Turnebum,1553. 3. Gnomologiai plantation poieton, Paris, apud A. Turnebum,1553. これらの資料のうち1,2に関しては実際に時間をかけて閲覧を行ない、必要事項を記録することはできた。しかし3については十分な時間が取れなかったので、今後のフランスでの調査の機会に継続して作業を続ける予定である。
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