研究課題/領域番号 |
15K02397
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
関谷 一彦 関西学院大学, 法学部, 教授 (40288999)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フランス文学 / リベルタン文学 / リベルタン版画 |
研究実績の概要 |
平成27年度に実施した研究の成果 ①初年度の目標は、まずはリベルタン文学をリストにして、全体像を把握することであったので、リベルタン図書を収集し、これまで集めたリベルタン関連資料を基に著者名および作品名をリスト化した。リストの作成はほぼできたと考えている。 ②2016年2月にリヨンを訪問し、これまでリヨンのLIREでフランス18世紀に関する共同研究をしてきたDenis Reynaud氏(LYON 2)、Christophe Cave氏(GRENOBLE 3)、Anne-Marie Faivre氏(LYON 1)、Michael O’Dea(元LYON 2)などのフランス人研究者たちと本研究テーマについてさまざまな議論を行った。O’Dea氏からはリベルタンの定義について、Reynaud氏からは関連する図書について助言を得ることができた。 ③版画資料については、東京の永青文庫、京都の細見美術館で「春画展」が開催されたこともあり、春画に関する図書が多数出版されたので、それらを収集するとともに分析も始めた。今後はフランスのリベルタン版画との比較に取りかかりたい。 ④昨年度スイスのジュネーブ大学で開催された「サドの言語」と題した国際学会で発表したリベルタン文学の典型である『閨房哲学』の翻訳に関する論文を、日本語にまとめて発表した。関谷一彦「翻訳のむつかしさ ―サドの『閨房哲学』を訳して―」『言語と文化』第19号、関西学院大学言語教育センター、2016年3月.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リベルタン文学の全体像を把握するためのリストを作成することができた。細かい分析はまだこれからであるが、全体像が見えてきたことが大きい。また、資料の収集も徐々に進んでいる。フランスの18世紀研究者と議論をして、さまざまな助言を得ることができたのも今年度の成果である。
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今後の研究の推進方策 |
①リスト化したリベルタン文学の主要作品を分析するとともに、「リベルタン文学」が18世紀フランス社会の中で、具体的にどのように読まれ、受容され、意識変革を促し、社会に浸透していったのかを検討する。 ②リベルタン版画に関しても、収集した図書から版画の分析を始める。また江戸時代の春画との比較も始める予定である。 ③夏季休暇を利用して、18世紀を専門とするフランス人研究者たちと本研究課題について議論をするために渡仏を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入した図書の金額が見積額をしたまわっていたため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度のパソコン購入費用に充てたいと考えている。
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