研究課題/領域番号 |
15K02397
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
関谷 一彦 関西学院大学, 法学部, 教授 (40288999)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フランス文学 / リベルタン文学 / フランス革命 / リベルタン版画 / 『女哲学者テレーズ』 |
研究実績の概要 |
平成29年度に実施した研究の成果 ①リベルタン文学がフランス革命にどのような影響を与えたのかを考えるために、まずはフランス革命の起源の問題について歴史家たちの議論を子細に検討した。その歴史家たちとはダニエル・モルネ、ロバート・ダーントン、ロジェ・シャルチエの三人である。 ②2017年8月末から9月初めにかけてパリとリヨンに行き、18世紀フランス文学研究者たちと研究課題について議論をおこなった。パリ在住のサド研究者Chantal Thomas氏からはリベルタン文学とフランス革命についての先行研究についてさまざまなアドヴァイスをもらった。リヨンでは、Denis Ryenaud氏と研究課題全般について議論をした。フランス人研究者と定期的に会って議論することは、研究の客観性を保証する意味でも意義のあることである。 ③フランス人研究者との議論を踏まえて、リベルタン文学の中核的作品である『女哲学者テレーズ』を分析して、この作品がフランス革命に何らかの影響を与えたのかどうか、与えたとしたらどのような点なのかを具体的に検証した。その内容は、論文「リベルタン文学とフランス革命―『女哲学者テレーズ』を通して―」において発表した(関谷一彦「リベルタン文学とフランス革命―『女哲学者テレーズ』を通して―」『言語と文化』21号、関西学院大学言語教育研究センター、2018年3月)。 ④リベルタン文学の代表的作品である『カルトゥジオ会修道院の門番であるDom B***の物語』の翻訳に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の核となるリベルタン文学がフランス革命にどのような影響を与えたかについて、リベルタン文学の中心となる『女哲学者テレーズ』の分析を通して、間接的な影響を明らかにできたことが大きい。さらに多くのリベルタン文学において、革命への影響を考えることが課題である。
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今後の研究の推進方策 |
『女哲学者テレーズ』以外のリベルタン文学を分析することによって、より精度の高い影響を提示することができるであろう。『女哲学者テレーズ』の分析を通して、間接的な影響を示すことができたように、さまざまなリベルタン文学の分析を通して、より多くの間接的な影響を提示することによって、確証に近づけるように研究を遂行してく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入図書の金額が見積額を下回っていたため、次年度使用額が生じた。2018年度の図書購入に充てる予定である。
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