博物学(自然史)と人類学という今日では美術館・博物館を現場として対象となっている分野における学術分野の黎明期において、両者をともに支える想像的原理が見出された。両者はともに「異国」や「他者」の発見とその分析、展示を目指す制度であり、そこにおいて、当時様々なレベルで発見された異郷へのまなざしと当時発達しつつあった科学的理論との交錯点として、今日で言われるところの博物学的・人類学的探求が共存して存在していた。今日では文系と理系として制度上区別されることの多い学問的諸分野において、両者を共に考える発想の発見は、従来にない仕方での文理融合を目指すヒントとなる。
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