本研究はドイツ語圏におけるポストコロニアル文学を研究したものだが、以前から行っていた旧ドイツ領アフリカ関係の歴史及び作品研究と英語圏由来のポストコロニアル理論を土台として、旧ドイツ領南洋及び中国の膠州湾租借地に関する現代文学作品を対象とした。結果として、ウーヴェ・ティム、トーマス・シュタングル、イリヤ・トロヤノフ、シュテファン・トーメ等13人の作家による、『半影』、『唯一の場所』、『世界収集家』、『夷狄の神』等計15の作品を扱った。この研究の成果は、9回の学会発表、9本の学術論文として結実し、論文のうち3本は、発行予定の2冊を含む書籍三冊の一部として出版及び出版予定である。
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