1.最終年度に実施した研究の成果:平成29年度は研究会を2回開催した(2017年6月10日、2017年12月10日)。報告者と報告タイトルは次の通りである。鈴木正美「ウラジーミル・マルトゥイノフ・フェスティヴァル」、岡島豊樹「モスクワの音楽最新動向」、アレクセイ・ボリーソフ「人と楽器:ロシアのエレクトロニクス音楽小史」、リュドミーラ・ドミートリエヴァ「ニコライ&リュドミーラ・ドミートリエヴァの文化・音楽活動」。また、鈴木正美は2018年2月26日ー3月6日、モスクワで現地調査を行い、多くの資料を収集した。さらに、研究協力者のセルゲイ・レートフ、アレクサンドル・ベリャーエフ等の研究協力者と研究打ち合わせを行い、情報交換をした。 2.研究期間全体を通じて実施した研究の成果:研究代表者である鈴木正美を研究の統括者として、①「非公式芸術の誕生と発達」研究グループ(鈴木正美、リュドミーラ・ドミートリエヴァ、他)、②「ジャズ・ロック文化の進化と変容」研究グループ(岡島豊樹、キリル・モシュコウ、ロマン・ストリャール、アレクサンドル・ベリャーエフ、他)、③「人形劇の変化と人形美術の誕生」研究グループ(大井弘子、他)が各々研究にあたり、研究期間中に計10回の研究会と講演会を行った。鈴木正美はノヴォシビリスク(2016年3月)、ヤクーツク(2016年9月)、モスクワ(2016年、2017年、2018年)、ヴィリニュス(2017年3月)で現地調査を行った。海外の研究協力者たちのコーディネートによって各地で非公式芸術、ジャズ、ロック、人形劇の関係者と会い、聞き取り調査を行った。また、彼らから貴重な資料(書籍、音源、映像)を多数入手した。研究成果の一部は研究報告書としてまとめた。現地調査で出会ったさまざまな人々との間に新たなネットワークが生まれ、今後の研究への展望がさらにひらけた。
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