研究課題/領域番号 |
15K02417
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研究機関 | 名古屋学院大学 |
研究代表者 |
土屋 勝彦 名古屋学院大学, 国際文化学部, 教授 (90135278)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 越境文学 / インターカルチュラリティ / ポリフォニー / 多文化性 |
研究実績の概要 |
2016年度は、5月にドイツ語圏越境文学の諸相と可能性に関する研究叢書を編集・発刊した。5月には文藻外語大学での研究フォーラムに参加し、8,9月に3週間オーストリアおよびドイツへ出張し、数名の越境作家たちとの面談、さらに朗読会とシンポジウムに参加し越境文学に関する知見を深めた。12月には来日中の2名の作家を招待し朗読・討論会を行い、越境文学の動向についても意見交換した。3月には日本文芸協会年鑑に掲載する2016年のドイツ語圏文学の動向をまとめた。そのなかで越境作家の最近の動向と方向性についてもいくつか新たな知見を得た。多文化性を体現する移民作家たちは、民族主義との葛藤において、とくに最近の難民問題との関連で排外主義的な右傾化に対するアンチテーゼを提示しつつ、アクチュアルな多文化共生へのヴィジョンを展開する政治的な発言も強めており、そうした潮流のなかで改めて文学と政治の問題が前景化しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
秋の越境作家シンポジウムについては日程調整が不調となり実現できなかった。また3月の海外出張計画も所用が重なり実現できなかったという2点において当初の計画がやや遅れ、予算が残った。
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今後の研究の推進方策 |
春には日本独文学会と日本比較文学会においてシンポジウムを企画・挙行する予定である。また8,9月および3月には海外出張する予定であり、さらに秋の越境作家シンポジウムを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
秋の越境作家シンポジウム開催が実現できなかったため。また3月の海外出張も所用のため実現できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は越境作家シンポジウムを開催し、海外出張も2回行う予定であり、予算が使用できる見込みである。
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