研究課題
基盤研究(C)
ニコライ・メトネル(1880-1951)に関して、同時代の思想家や芸術家らがその音楽をどのように意味づけていたかを整理した。また、1910年代のロシア・アヴァンギャルドに関わった芸術家たちの音楽論を分析し、その根底に宇宙論的世界観と四次元思想があることを明らかにした。さらに、その思想が当時の言語理論や美術理論などとも共鳴関係にあることを明らかにした。
ロシア音楽、ロシア語学、ロシア文化
これまで、ロシア・アヴァンギャルドの音楽は他の芸術分野や思想とのつながりをほとんどもたないとされてきたが、本研究により、実際には密接な関係があることが示された。また、作品分析に関しても、従来の音楽的手法の新機軸の分析と異なり、作品と思想の関係を考慮に入れた分析をすることにより、音楽作品の新たな側面を浮かび上がらせる可能性を示すことができた。