(1)前年度までの研究成果および進捗状況の検証:今年度は、研究最終年度として研究成果をまとまった形で公開するための方策の具体化に向けた研究活動を遂行した。前年度までの経過を再度PDCFAサイクルの円滑な遂行に留意しつつ検証し、今年度の補完項目を精査した。 (2)第1次資料の調査および精査:年度を通じてとりわけスイス文学における未精査に近い第1次文献資料の検討を行った。さらにドイツにおける資料調査(8月)を行い、さらに多くの第1時資料を収集できた。さらに集中的な研究遂行により、研究書としての全体像をまとめることができた。 (3)国外研究者との連携研究:シュトゥルム・ウント・ドラング研究の第1人者であるレーゲンスブルク大学のトメク教授との研究打ち合わせを行い、今後のこの分野における発展させるべき領域について検討した。 (4)国内研究者との連携研究:特に音楽の分野におけるシュトゥルム・ウント・ドラング研究者との連携を深め、北ドイツにおける音楽分野で時期的には早く開花する「疾風怒濤」とスイスにおける先駆的な文学改革との関連性における知見を深めることができた。 (5)研究成果の発表を学会、および研究会にておこなった。当研究分野に直結する学会における発表を通じて、特に18世紀スイス文学、文学理論の研究者との交流を通じて、新たな知見を得ることができた。とりわけスイス派が小説理論の発展に深く関与した事実は、今後のこの研究分野の発展的な展開に欠かせない要素と認識した。
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