もともと南中国で流行し始めた地方色豊かな梁山伯、祝英台にまつわる伝説・物語が、千年以上の時間をかけて中国を代表する無形文化遺産へと昇格していく過程を解明するため、文献資料、映像・画像資料の体系的な収集と整理、作品の解読と考察、中国での梁祝故事の受容と民間信仰の実態調査を踏まえ、浙江省寧波で発生した物語が全国へ展開していった可能性が高いことを明らかにした。また、物語の主要な舞台が浙江であることから越劇の演目に取り上げられ、1940年代以降、映画作品としての流通し、メディアと権力両方からのバックアップを得て、中国の四大伝説へと変貌を遂げる過程を明らかにした。
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