3年間で5本の論文を公刊できたので、まずまずの成果を挙げることができたと言えよう。本研究は、地方志が文学作品をどのように扱ってきたかを明らかにするとともに、そこに掲載された詩文から新たな知見を得ようとするものである。本研究では、「濯纓」という詩語や、二人の文人、屈原と賈誼の典故を通して、地方において詩がどのように受容されてきたかを考察した。また、地方志を比較したり、そこに記載された詩跡を考察することによって、地方における詩の受容を反映している部分があることを示した。また、べん河の現地調査を行ない、詩の舞台であった場所がどのように詠い継がれ、また現在どのように受け継がれているかも明らかにした。
|