研究課題
基盤研究(C)
先秦から漢代にかけて、祖先の行動が子孫の禍福に影響を及ぼすという考えが広く存在した。後漢以降、罪の意識が希薄になるのと並行して、出処の問題を遇不遇の問題とする。曹植は詩歌に「私の罪」をも詠み込んで、直接「罪」の語を用いない作品においても、いわれなき「罪」に苦悩する自己を暗示している。白話小説で、家族の離散は悲劇的に描かれ、再会の場面で息子は両親に謝罪して慰めあうが、元雑劇「合汗記」などは、離散と再会の場でも、笑いの仕掛けがちりばめられている。
中国古典文学