2018年度も,引き続き徳山藩毛利家旧蔵漢籍の書誌調査及びこれに関連する調査をおこなった。 宮内庁書陵部においては,徳山藩毛利家旧蔵漢籍のうち204部1479冊を11回,のべ32日にわたって閲覧し,詳細な書誌調査を実施した。この調査により,既に公刊されている宮内庁書陵部編『和漢図書分類目録』(1951)及び「書陵部所蔵資料目録・画像公開システム」に見られる疑問点を明らかにし,遺漏等を補うことができた。加えて,宮内庁書陵部編『図書寮漢籍解題-漢籍篇』(1960)等に基づき,関連する諸事項についても補足調査をおこなった。 また,国立公文書館内閣文庫においては,書誌採録を厳密なものとするため,書陵部に架蔵される徳山藩毛利家旧蔵漢籍と同一版と思われる刊本を閲覧し,書陵部蔵本が完本か否か等の確認をおこなった。 以上の調査については,本研究において定めたところの採録すべき書誌項目,すなわち四部分類・書名・巻数・撰者・鈔刻・分類番号・印記・備考に分かち,すべてをデータとして記録した。その結果,宮内庁書陵部蔵德山毛利家旧蔵漢籍分類目録」の礎稿を完成させることができた。これは2019年度中に公刊する予定である。
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