研究課題/領域番号 |
15K02441
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
せん 満江 杏林大学, 外国語学部, 教授 (90206657)
|
研究分担者 |
三上 英司 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (30219597)
澤崎 久和 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (70145100)
石川 忠久 二松學舍大學, その他部局等, 名誉教授 (80112655)
大村 和人 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (80431881)
松浦 史子 二松學舍大學, 文学部, 准教授 (80570952)
高芝 麻子 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (80712744)
森岡 ゆかり 奈良学園大学, 人間教育学部, 特任講師 (00757651) [辞退]
遠藤 星希 青山学院大学, 文学部, 助教 (30755278)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 日中比較文学 / 日本漢詩 / 詠史詩 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、大沼枕山『歴代詠史百律』の訳注を作成している。附録の詩を含めて103首の中、100首の詩に訳注を施し終えた。2回の現地調査を含む計12回の会合を開き、すでに訳注を作り終えた77首に加えて計100首の詩に訳注を施した。 平成29年8月29日から8月31日までの合宿において、10首の詩に訳注を施し、西尾市岩瀬文庫において大沼枕山関連の文献を閲覧調査し、平成30年3月6日から3月8日までの合宿において、7首の詩に訳注を施し、蓬左文庫において大沼枕山『詠物詩』(鈔本)等の文献を閲覧調査した。残りの10回は、月に一回のペースで会合を開き、毎回1首の詩に訳注を施していった。 以上の訳注作成と現地調査によって、大沼枕山明治期の詩業の一端が一層明らかになってきた。西尾市岩瀬文庫には大沼枕山の『枕山詩鈔』初編・二編・三編及び『枕山先生遺稿』には収録されていない作品(詩だけでなく、序、跋、評等も含む)が収載された別集、総集、画集、例えば『東京名勝詞』『黄石斎第六集』『横浜八景』『耐軒詩草』『読史襍咏』『江戸年中行事詩』『寒香園百絶』等がみつかった。また、蓬左文庫には、枕山の著作である『詠物詩』が鈔本として所蔵されていて、貴重な文献であることが確認された。他にも明治期の漢詩の選集、『新選名家絶句』『慶應十家絶句』『蓮塘唱和集』等があり、枕山の詩が収載されている。こうして主として明治期の枕山の作品を輯佚することによって、従来明らかにされていなかった枕山後半生の詩業の実際を解明できると考える。また、以上の研究成果を踏まえ、数篇の論考を執筆する計画を立てた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大沼枕山の詠史詩である『歴代詠史百律』103首の3首を残して、100首の訳注を作り終えたのであるから、ほとんどの詩の訳注はできたといえる。現地調査も2か所実施できた。月一回ペースの会合も計画したとおりに全て開催されている。また、数篇の論考を執筆する計画も立てた。ゆえに、研究はおおむね当初の計画どおりに着実に進められていると判断できる。
|
今後の研究の推進方策 |
四年目の平成30年度は、大沼枕山『歴代詠史百律』の残り3首の詩に訳注を施し、それらの訳注を再度検討しなおして、より精度の高い訳注完成を目指す。いままで同様に月一回の会合を開き、さらに、少なくとも一回は合宿を予定している。また、数篇の論考を執筆する。予定どおりに推移すれば、研究成果を公開するための出版の準備は整うと思われる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
東京以外の勤務地の研究分担者が東京に出張して会合を行う回数が、当初予定したより少なくなったり、現地調査や会合に参加する人数が当初の予定より少なくなったため、予定の金額を執行できなかった。 次年度はいままでより一層日程調整を綿密に行い、できるだけ多く東京における会合を行い、また、できるだけ多くの参加者を得て、現地調査や会合を行う予定である。
|