香港へ1回、武漢へ1回、東京へ1回、福岡へ1回出張し、国際シンポジウムで発表することができた。「言/文」、「越境/漂泊」等を視座に、日中及び東アジアにおける文学ジャンルや思想の形成について、国内外の若手を中心とする研究者とともに議論を深めることができた。 2017年度に発表した論文は1件である。「透明之文與紙上之声:周作人與四方太写生文観比較論」(武漢大学文学院編『長江学術』2017年3期)。ほかに、「関於『周作人先生的事』編輯一事」を中国で発表予定であったが、編集側の事情から次年度に発表が延期された。そのため、ここでは件数に含めていない。 口頭発表は計3件実施した。詳細は次の通り。国外:「周作人與四方太寫生文:文學言語創造的影響」(香港教育大学国際学術ワークショップ、香港、2017年6月)、「紙上之声與透明之文:周作人與四方太寫生文観比較論」(武漢大学国際学術ワークショップ、武漢、2017年9月)/国内:「周作人與落語試論」(立教大学国際学術ワークショップ、埼玉、2017年11月)。 上記の発表内容を通じて、「小品文作家」と称された周作人における日本「写生文」理論の受容を指摘した。これにより、本研究課題である現代中国と日本における小品文の時代的特色と、その日中間の交流の実態が明らかになった。同時に、中国現代文学を中心とする東アジアの「文学形式」をめぐって、国際シンポジウムを通じて、国内外の若手研究者との研究ネットワークを構築することができた。
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