研究課題/領域番号 |
15K02446
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
大東 和重 関西学院大学, 法学部, 教授 (60434859)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 台南 / 文学 / 台湾 / 植民地 / 日本文学 / 外国文学 / 比較文学 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究課題「台南文学の研究‐日本統治期の台湾人作家を中心に」について、以下の実績をあげることができた。 (1)研究成果の公表:本年度は、2回の海外シンポジウム発表、1回の研究会発表を行い、2編の論文を発表した。 口頭発表については、まず、「王育徳の台湾語事始め」と題する発表を、台日「文学与歌謡」国際学術研討会(国立台湾文学館、2016年6月4日)にて行った。次に、「書写在遠離中央文壇的辺陲」と題する発表を、第二届文化流動与知識伝播‐台湾文学与亜太人文的多元関係国際学術研討会(国立台湾大学台湾文学研究所、2016年6月25日)にて行った。さらに、「日本統治期の台南における台湾人作家の文学活動」と題する発表を、中国文芸研究会例会(同志社大学、2017年3月26日)にて行った。 論文については、まず、「植民地の地方都市における「文壇」と「文学」‐日本統治期台湾・台南の台湾人作家たち」と題する論文を、『文学』第17巻第3号(岩波書店、2016年5月)に掲載した。さらに、「平地先住民族の失われた声を求めて‐日本統治下の台南における葉石濤の考古学・民族学・文学」と題する論文を、『外国語外国文化研究』第17号(関西学院大学法学部外国語研究室、2017年3月)に掲載した。 (2)資料・書籍の購入と分析:台湾・台湾文学・植民地・日本文学・外国文学・比較文学と関わる資料や研究書を購入した。これらの資料や先行研究の分析を進めた。 (3)資料の調査・収集と分析:12月に台南の台湾文学館や台南市立図書館で、関係する資料の調査・収集を行ない、台南文学と関わる資料や書籍を閲覧・収集できた。戦後すぐの台南で刊行されていた『中華日報』や、戦後の台南で刊行された郷土研究雑誌など、現地の図書館のみが所蔵する資料・書籍も多く、成果があった。また、台南現地の文学研究者と意見を交換するなど、大きな収穫があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016年度は2年目に当たり、継続して行っている資料の収集や現地での調査は順調に進んだ。また研究成果については、3回の発表を行い、2編の論文を公開した。当初の計画通り、年1~2回程度の発表、1~2編程度の論文発表の予定を順調に進めつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度は、8月に国内で台南文学研究と関わる研究集会の開催を目指して、企画を進めている。これには台湾から、台南文学の研究者や、台南文学と関わるドキュメンタリー映画の監督を招く予定である。最終年度にふさわしい研究集会を開催したい。また継続して資料収集や現地での調査を行い、研究成果を発表していきたい。
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