研究課題/領域番号 |
15K02450
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
丹羽 京子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (90624114)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ベンガル語学 / ベンガル文学 / 文学史 / 辞書 |
研究実績の概要 |
ベンガル語ベンガル文学の現状を把握し、今後の発展に結びつけるために、今年度は主に基礎的作業を行った。まず第一に、ベンガル語ー日本語辞書(現在までのところ、作成されたことがない)を作成する準備段階として、基礎語彙集の作成に着手している。具体的には、CEFRのA1-A2レベルの語彙(英語ー日本語による)をベンガル語ー日本語に変換し、ネイティブ話者や、言語学関係の専門家を交えて修正を行いつつある。その際、インド、バングラデシュ双方の辞書を精査し、比較検討する作業も行っている。さらにそこに不足していると思われるベンガル語特有の単語(暦、季節、食べ物、親族名称等)を洗い出し、加える作業も同時並行して行っている。 第二に、スタンダードな文学史を検討し、学習者向けの中級読本を作成するために、研究協力者とともに協議を行っている。その際、本科研の主旨ともなっているように、バングラデシュとインドに分断されているベンガル文学をバランスよく扱うために活発な意見交換がなされた。現在のところ、取り上げるべき作家や詩人のリストアップがほぼ終わった段階である。 加えて昨年度開かれた国際ベンガル学会の論集作成に向けて鋭意努力中である。論集にはさまざまな分野のものが含まれているが、本科研関係者の間では、特に言語学、文学関連の論文の査読を行い、それらをまとめる作業が進行中である。それらの論文や学会参加者における新たな提言等も、語彙集作成や読本作成に反映されつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論集作成は投稿者多数のため査読に時間がかかり、遅れを生じているが、ほぼ終わりが見えてきた状況である。語彙集作成は順調に進み、読本の準備も並行して進めることができたのは前年度の成果であった。ただし、語彙集も読本も比較的時間のかかる大きなプロジェクトであるので、今後の進め方に留意する必要があると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は本科研の最終年度であるということで、ベンガル語学およびベンガル文学における一定程度の成果を挙げることを目標としている。具体的には、語彙集作成はCEFRのA1-A2レベルの語彙集を完成することと、文学関連では中級読本を完成させることである。語彙集はこのレベルのものを印刷するかどうかは検討中だが、中級読本はできるだけ印刷までもっていきたいと考えている。ただし、読本においては版権などクリアしなければならない問題もあるので、年度中に完成させるためには、事務手続き等も早い段階から進めなければならないと思われる。
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