近代韓国における<童謡><童詩>誕生の舞台である『オリニ』誌研究の一環として、『オリニ』を創刊・主幹した方定煥研究を継続して行い、「方定煥の東京留学――李相琴『小波・方定煥の生涯――愛の贈り物』を読む」東京純心大学『現代文化学部 紀要』第21号(2018年3月、pp.1~20)にまとめた。 また、近代韓国における代表的童謡詩人、李元寿の研究を行った。資料調査は韓国昌原市の李元寿文学館を訪問し、実施した。そこでは、一次資料の調査だけでなく、専属研究員への取材ならびに、セミナーも行えた。筆者は、「日本の絵本の現況」として、李元寿文学館にて韓国語で研究成果の発信を行えたことは国際的な研究成果発表として予定以上の成果となった。さらに、李元寿文学館のある昌原市では、市主催の国際的児童文学フェスティバルに招待された。李元寿の童謡で国民愛唱歌でもある「故郷の春」を環境文学の視点からアプローチし、それと関連して「日本の生態児童文学(自然、環境、平和)――生態系破壊(災害、公害、戦争)に取材した作品から」を、シンポジウム「東アジア児童文学の生態・環境・自然・平和そして交流の方向性」(昌原コンベンションセンター、平成29年5月19日)にて韓国語にて発表した。これは、日本語に改め、東京純心大学キリスト教文化研究センター論文集『カトリコス』第11号(2018年3月、pp.1~25)に発表した。 その他、「韓国の子どもの本の特質とその歴史――激動の韓国近現代史と児童文学・絵本」、「韓国絵本の魅力と出版背景 韓国の絵本作家と出版人の人生と思想」(主催:栃木子どもの本連絡会、講座名:「子どもに読書のよろこびを アジアの子どもの本」連続講座、場所:栃木県教育会館、平成29年6月17日)などの講演会にて、研究成果発表を行った。
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