本研究では、以下の成果が得られた。(1)裸主題が最も強い主節指向性を示す一方で、対照主題が最も弱い主節指向性を示すことが明らかになった。両者の中間に位置するもののうち、場面設定主題よりも題目の方が相対的に強い主節指向性があることが確認された。(2)話題化を許す従属節は位相になるが、許さない従属節は位相にならないことが判明した。(3)題目と場面設定主題は演算子移動に干渉するが、対照主題は干渉しないことが判明した。(4)題目が極小主義生成理論における探査子・目標関係によって認可されることを示した。(5)主節指向性が極端に強い要素が、主節特有の階層である発話行為句に生起することを立証した。
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