この研究では、日本と韓国の映像メディアを対象に、(1)番組のジャンルが各メディアの言語表現に強く影響する、(2)番組制作者が翻訳過程で意図的な修正を加えることがある、という2点から対照分析した。 (1)の考察では、日本のスポーツ放送では丁寧体と普通体が混用されるのに対し、韓国では丁寧体のみが使われることから、報道性より娯楽性が重視される「ワイドショー」という日本独自のジャンルが影響していることが明らかになった。(2)の考察では、韓国語原作にない役割語が日本語訳で追加されることから、番組制作者が正しい翻訳よりキャラクタ作りなどの制作意図に重点を置いていることが明らかになった。
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