研究課題/領域番号 |
15K02499
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
副島 健作 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60347135)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アスペクト・ヴォイス / 自然な言い回し / 主要部後置型言語 / 認知類型論 / パラレルコーパス |
研究成果の概要 |
本研究では,まず日本語と韓国語やエストニア語のパラレルコーパスを作成した。複数言語間で意味内容がほぼ等しいと考えられる文について対応関係が付いている対訳コーパスである。日本語から多言語語へ翻訳されたもの2作品,ロシア語から日本語へ翻訳されたもの1作品の計3作品の小説を完全に電子化した。次に,コーパスを資料として,当該言語の人為的事態を表す結果表現について,同一場面での構文の選択という観点から分析した。また,上級日本語学習者にそれらの表現の使用意識調査を行った。その結果をもとに,客観世界に対する事態認識の差異について考察し,日本語が事態を主観的に把握する傾向にあることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
言語学 日本語教育
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題において日韓露語パラレルコーパスを資料として行った検証の結果,動作主不定の人為的事態の結果を表すという同一場面におけるロシア語と韓国語と日本語の構文選択の傾向を明らかにした。この結果は,「言語の自然さ」,「~語らしさ」が認知類型の違いで説明できる可能性を示唆するものであり,認知類型論の発展に資するものと言える。 コーパスによる言語研究は盛んに行われているが,3言語以上にまたがる多言語のパラレルコーパスはまだまだ希少であり,日本語,ロシア語,韓国語,エストニア語のパラレルコーパスを独自に構築できたことは,今後の対照言語学的研究をはじめ類型論的研究など言語研究に供する資料となり得る。
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