本研究は,小倉進平の『朝鮮語方言の研究』(1944)所載の朝鮮語方言調査資料を言語地図化し,その解釈を行なった。まず,その準備として,この資料を精査して調査地点,音声表記などを検討するとともに,地図化に相応しい項目約200を選定した。次に言語地図化のためのソフトウェアとして,Seal 8.0を開発した。次に,資料の入力を行ない,それを用いて合計64の項目について言語地図を作成し,その解釈を行なうとともに,各項目の文献資料での用例と対照して語彙史の考察を行なった。その結果を『小倉進平『朝鮮語方言の研究』所載資料による言語地図とその解釈』第1集および第2集として公開した。
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