研究課題/領域番号 |
15K02506
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辛 昭静 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 客員研究員 (40597192)
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研究分担者 |
石崎 雅人 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (30303340)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 異文化コミュニケーション / 介護コミュニケーション / 多文化共生社会 / 普通体 / 丁寧体 / 言語行動 / 言語意識 |
研究実績の概要 |
本研究は,「多文化共生社会」における「外国人支援」の一環として,外国人と日本人の異文化間コミュニケーション場面において,両者の言語行動と言語意識にどういう共通点や相違点があるかを調査により明らかにし,外国人が抱える異文化間コミュニケーション問題の実態を究明することを目的とした。中でも,丁寧体が期待される会話場面で遭遇する普通体使用について調査を行った結果,「日本人は親疎関係に対して,韓国人は年齢差に対してより敏感である」という従来の敬語研究の結果とは裏腹に,韓国人20-30代からは相手との親密度により評価が左右される傾向が窺え,年齢差の影響が思ったより絶対的要因として働いていないことが示唆された。最終年度には,現在日本で高齢化がますます深刻化する中,高齢者に対する介護問題が社会的に重要な課題となってくることが予想されるため,介護場面における医療従事者と高齢の患者間の効果的なコミュニケーションスタイルを探ることを目的にする質問紙調査を行った。最終的には日本と韓国の介護場面で用いられるコミュニケーションスタイルを比較することで,多文化共生社会における外国人(韓国人)高齢者への対応も併せて考えることを目標としている。そのため,まず日本人高齢者と介護従事者を対象に,①28歳の介護福祉士と70歳の入居者との会話、②28歳の介護福祉士と70歳の入居者(関係:祖母)との会話、③64歳の介護福祉士と70歳の入居者との会話、④64歳の介護福祉士と70歳の入居者(関係:姉)との会話という4つの場面を設定して、普通体が使われる場面と丁寧体が使われる場面,それぞれの会話から受ける印象についての調査を行った(SD法、12尺度提示)。その結果については,目下分析中である。
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