本研究の目的はカフカース諸語の研究によって、ロシア・ソヴィエト言語類型論を解明することである。2つの課題を解明した:(1)ロシアにおける音韻論の発達と(2)ロシア・ソヴィエト言語類型論の歴史である。(1)に関して、次のことを明らかにした:P. K. ウスラールとN. K. ヤーコヴレフはモスクワ音韻学派とプラハ音韻学派の基礎を創った。(2)に関しては、ソヴィエトで発達した言語類型学と西欧で発達した言語類型学を比較しながら前者の特徴を纏めた。特に、両類型論の理論的代表者である、I. I. メッシャニーノフとR. M. W. デクソンの異なる言語類型に関するアプローチを比較した。
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