シルクロードの交易の民として,4世紀頃から10世紀にかけて活躍したイラン系のソグド人が残した零細な金石文を丹念に調査し解読することを目的として研究をすすめた.ソグド人がかつて居住した現在のウズベク,キルギス地域で発見される岩壁銘文や陶片文書,貨幣の銘文,ならびにソグド人が交易のために訪れた地域に残された落書きを主に研究した.具体的には,現在のキルギス共和国の遺跡で発見される資料と中国新疆ウイグル自治区のクチャ地区の千仏洞でみつかる落書きを主に扱った.別に,既に知られている碑文のうちモンゴル高原でみつかるカラバルガスン碑文の再研究も行った.現在その改訂テキストと翻訳を準備中である.
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