研究実績の概要 |
最終年度となる2017年度は、まず4月に、2016年度に開発したヒンディー語のウェブコーパスが抱える問題(アノテーションの精度やコーパスの重複具合、ウェブサイトの文言等)について、技術者ならびに海外の研究協力者たちとメール等で意見交換をし、今後コーパスの修正点を調査、一部修正をした。また、ウェブコーパスの現地(ヒンディー語母語話者間)でのさらなる普及を目指し、研究協力者たちとウェブサイトのヒンディー語版を作成し、2018年2月上旬に一般公開した。 このコーパス開発と平行して、本題である複合動詞について、これまでに扱ったjaanaa「行く」から得られた新たな知見を元に、denaa「与える」(補助動詞「やる/あげる」相当)を取り上げ、5月に“Does denaa GIVE as a V2 render benefactive meaning in Hindi?: A corpus-based comparative analysis in Hindi and Japanese”と題して、Adam Mickiewicz University(ポーランド)で開催されたThe 33rd South Asian Languages Analysis Roundtableで発表した。さらにその延長で、7月にヒンディー語の姉妹語とされるシンハラ語における「与える」動詞の振る舞いと比較した“Does denaa GIVE as a V2 render benefactive meaning in Hindi?: A comparative case study of Hindi, Japanese and Sinhalese”を、言語科学会第19回国際年次大会で発表した。その後、コーパスからlenaa「取る」とrakhnaa「置く」のデータを収集しlenaa「取る」に焦点を当て分析を行った。
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