研究課題/領域番号 |
15K02519
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
古閑 恭子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (90306473)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アカン語 / 教授言語政策 / 経済言語学 / 構文交替 |
研究実績の概要 |
本年度は日程的な都合がつかず、現地調査を行うことができなかったため、これまで行った調査で得られたデータを整理するとともに、これまで取り組んできたことをまとめ国際学会にて発表した。その一つ 'English divide and medium of instruction policy implementation in Ghana'(17th Annual Conference of the International Association of Urban Language Studies in Xi'an, 2019年8月:単独発表)では、ガーナにおいて教育インフラの整備などへの取り組みなしに教授言語政策を変え続けていることが英語格差を広げていることを提示した。もう一つの 'Does Akan Literacy Influence Household’s Income?' (Allied Social Science Associations 2020 Annual Convention, 2020年1月:共同発表)では、ガーナ最大部族語のアカン語読み書き能力と収入とが相関関係にあることを国勢調査結果の分析から明らかにした。また、アカン語のみよりもアカン語と英語の2言語読み書き能力がさらに収入を高めることを明らかにした。さらに、これまで収集してきたアカン語データにみられた興味深い現象(構文交替)を調べるために、岡山在住のネイティブスピーカーに追加調査を行った。この構文交替は、特定の動詞が2項構文において意味を変えずに動詞の前後で名詞句が入れ替わることができるもので、動詞および項のどのような意味的要素が交替に関わっているかを考える。この結果は、2020年6月の言語学会大会にて発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アカン諸語の比較研究という本来の目的からはやや外れるものの、これまでの調査で得られたデータ、知見を整理し、いくつかの学会にて報告することができたので、一定の成果は得られたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年が最終年度であり、最終的な調査を行うため現地に向かう予定であるが、コロナウィルス感染拡大が続いており、現地調査に行けるかどうかが現時点で分からない。現地調査に行ける場合は、本研究課題の最終調査を行い、研究をまとめたい。現地調査に行けない場合は、延長手続きを取り、現地調査を延期する。その場合は、これまで得られたデータを引き続き整理、分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
諸事情により現地調査を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。今年度現地調査関係で使用する予定である。
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