日本語とフランス語の話法とフィラーに関する対照研究を行った。書き言葉に関しては,J.-M. Adamが提唱する発話レベルの4区分のスキーマが,話法との関連で親族名称名詞の多義性の説明に有効であることを示した。話し言葉に関しては,舌打ち音の談話機能を分析し,フィラーとの類似点を同定し,フィラーよりもさらに身体的表現寄りの要素であると結論づけた。主な資料としてオルレアン大学のESLOコーパスを初めとして,新規公開された大規模コーパスを使用した。これらの結果に基づき,日仏のテクスト構成の対照研究の基礎を築いた。
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