研究課題/領域番号 |
15K02530
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中島 仁 東海大学, 外国語教育センター, 准教授 (40439708)
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研究分担者 |
須賀井 義教 近畿大学, 社会学部, 准教授 (60454641)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 韓国語 / 活用 |
研究実績の概要 |
平成27年度は研究の基礎的資料構築が主な目的である。本研究の目的は現代韓国語における脱規範的な活用形式の様相をあきらかにするところにあるが、ここで言う基礎的資料とは実際に脱規範的形式が用いられた用例のデータベースを指す。データベースは21世紀世宗計画が構築した口語コーパスをもとに作成するが、存在する全ての用言を対象とすることは数が多すぎて不可能なため、まずはどのような用言を扱うかの選定作業を行った。選定作業にはすでに存在する語彙頻度調査を用いた。この語彙頻度調査結果に現れた用言は計1722例であるが、このうち、使用頻度の高い等級ABに属する用言356例について脱規範的活用形式の用例を検索しリストを作成した。これが研究の基礎的資料となり、今後このデータの分析を行った後、母語話者へのアンケート調査を行う。 また、本研究では規範的には間違いとされる形式を対象としているため、まずは研究者と共同研究者で共同作業を行い、脱規範的な活用形式のパターン分類を行った。その後、それらの各パターンについて、実際に現れうる可能性がある、あらゆる脱規範的形式を洗いだし、その形式が実際にコーパス上でも用いられているかどうか、上記の356例についてひとつずつ検索してリストを作成した。今回対象とした356以外の用言は平成28年度以降、随時追加していく。 用例の収集作業と同時に先行研究の収集も行った。日本国内で収集できない論文等については、共同で韓国に赴き、日本の国会図書館にあたる韓国国立中央図書館などで複写を入手した。これについては各自が読んだ後に整理を行い、今後問題点などについて検討を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究実施計画に記したことについてはほぼ達成できたため、進捗状況としてはおおむね順調であると言える。ただし、先行研究については検討までは行えなかった。また、分類の結果、予想以上に脱規範的形態のバリエーションが多く、各バリエーションについて十分な数の用例を集めるのが難しかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後も基本的には計画書通りに研究を推進していく。平成28年度も基礎資料の構築を継続して行うが、今年度も国内で各大学でそれぞれ2回の研究打ち合わせを予定しているため、その時に27年度にできなかった先行研究の検討を行うと同時に、今までの作業で難しかった点についての対策や、作業の効率化の方策についても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定した研究者と共同研究者の打ち合わせが、お互いの学内業務の都合などにより半分の回数しか行えなかったため。また、打ち合わせが予定より少なかったために、資料整理作業開始が遅れ、資料整理にかかる人件費が予定よりも少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は韓国で母語話者へのアンケートも計画しているため、昨年度できなかった分の打ち合わせを回数を増やして行い、アンケートの事前準備をしっかりと行えるようにする。また、基礎資料の用例数が少なかった部分については、資料整理の補助員を増やし、一気に作業の進捗を図る。
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