研究課題/領域番号 |
15K02550
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
水本 豪 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (20531635)
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研究分担者 |
塩見 将志 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (60711215)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 方略的言語理解 / 文理解 / ワーキングメモリ / 分裂文 / かきまぜ文 / 格助詞 |
研究実績の概要 |
本研究では、健常児の発達段階において認められる、格助詞以外の情報(語順など)に基づく言語理解を「方略的言語理解」と呼び、その背景要因としてどのようなものがあるかを明らかにしようとするものである。このような方略的言語理解は、失語症者や難聴児でも観察されることが明らかになっており、方略的言語理解についての知見は、言語聴覚療法の臨床において、大きな意義を有するものと考える。また、第二言語習得においても認められることから、言語教育の面でも意義を持つと思われる。加えて、健常児、失語症者、難聴児、第二言語習得者など、異なる対象者においても同じ因子によって方略的言語理解が生じているのか否か、異なる要因が存在する場合には、なぜ異なるのかといった問題についても検討する必要がある。 平成28年度は、健常児に関する研究代表者の研究により明らかになったいくつかの要因について、平成27年度から引き続き失語症者等への予備的な調査を実施する予定であったが、熊本地震の影響が大きく、十分な検討を行うことができなかった。一方で、分裂文だけでなく、かきまぜ文の理解に際しても、モーラ数増加に伴うワーキングメモリ保持負荷の影響が認められるという知見が得られた。これらの知見に関しては、現在成果報告に向けて準備中である。 これら以外に、国内外の新たな知見を得るための書籍・資料の購入を行うとともに、学会等への参加を通して国内の研究者と意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予定していた失語症者等の検討に際し、熊本地震の影響、および、対象となる症例の選定の問題のため、当初計画からは大幅に遅れている。ただし、それ以外の点は概ね順調に進んでいるため、平成29年度に引き続き失語症者等の検討を行い、成果に繋げたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き失語症者の検討を行うとともに、健常児・者を対象とした調査を実施し、その成果を公にする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定よりも物品が安く調達できたことなどに伴い、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
文房具等の消耗品の購入に充てる予定である。
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