| 研究課題/領域番号 |
15K02555
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| 研究機関 | 弘前大学 |
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研究代表者 |
郡 千寿子 弘前大学, 教育学部, 教授 (50312476)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 往来物 / 北陸 / 言語生活 / 教育環境 / 海域交流 / 北前船 / 日本語史 |
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| 研究実績の概要 |
日本語史資料として注目されてこなかった往来物を活用し、海域交流という視点から、日本語変遷とその要因を解明することが目的である。本研究期間においては、北陸地域（石川・新潟・富山）に焦点を絞って、往来物資料の所在の有無を確認し、該当資料の整理と分類をすすめている。
東北地域での調査結果を踏まえて、それぞれの地域ごとの相違性や共通性について明らかにし、地域間における影響関係や言語文化の伝播状況についても検討中である。
27年度は、富山県立公文書館および高岡市立中央図書館の往来物資料について、調査を実施し、分類と分析を行い、研究成果としても公表した。
28年度は、新潟地域に調査対象をひろげ、長岡市立互尊文庫所蔵の資料について、調査を実施した。具体的な資料として「名所案内記」類に着目し、京都府立総合資料館においても参考調査を行った。従来からの研究と当該年度の研究成果として、拙稿２本を公表した。
29年度は、新潟県立図書館所蔵の往来物資料調査を実施し、多数の未公開資料を発見した。調査結果を整理し、分類分析して、次年度には、研究成果を報告できるよう準備している。過年度からの研究調査をまとめた拙稿2本、「長岡市立中央図書館文書資料室所蔵の往来物―横山家文書からの報告―」、「新潟長岡「斯道館資料」の往来物について」を公表した。
一連の研究成果として、3月には台湾大学で「江戸時代の往来物資料と現代日本語研究」、中国文化大学で「日本語研究の展望―往来物資料と現代日本語―」と題した講演を行い、海外の大学で本研究成果を紹介した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
北陸地域を新潟・富山・石川の三地域に区分し、四年間で往来物資料の所在についての調査を計画している。すでに富山と新潟については、おおむね順調に調査をすすめることができ、調査結果を整理し、研究成果としても順次、公表した。
本年度は、新潟県立図書館の所蔵資料の調査を実施し、整理分類と分析を行っており、研究成果をまとめている最中である。ただ、予想以上に多数の資料が所在していたため、新潟での調査に時間を要してしまい、石川地域の調査へとすすめることができなかった。
実際に現地で調査してみなければ、資料の所在やその種類、分量について等、予測が不可能であるため、進捗に遅れがでた。しかし、調査該当資料が多かったことは、ある意味での成果ともいえるので、今後も地道な努力を続けたい。
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| 今後の研究の推進方策 |
新潟県立図書館所蔵資料についての調査結果の公表と、石川地域の往来物資料の調査実施を計画している。
それぞれの図書館での現地調査へ赴かなくては該当資料の所在の有無や資料の分類整理も実施できない。また、調査対象資料の分量についても、事前にはなかなか予測できない。時間を要しても、きちんとした調査結果を出すことを重視し、今後も、地道に未調査地域における調査を順次すすめる予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成28年2月から、公務（大学役員 理事・副学長に就任、附属図書館長兼任）多忙により、研究時間確保が難しくなった。大学役員としての管理運営業務を優先せざるを得ない状況にあり、自身の研究計画にそった研究調査のための出張ができなかった。
次年度においては、石川県金沢での該当資料の有無についての実地調査および書誌調査に加えて関係の資料閲覧や収集、研究発表のための出張旅費として使用する計画である。研究時間の確保とともに研究が滞らない努力をしたい。
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