研究課題
基盤研究(C)
「万葉仮名」は漢字を日本語の音節の表記に用いたものである。語の音節ごとに漢字を充ててゆくことを多くの書き手がそれぞれに行うと漢字の選び方は区々になると予想される。ところが、語の単位で観察すると、単語ごとに用いる漢字(仮名字母)は存外に固定的で文字列全体でまとまりを作っていることがわかった。さらに単語ごとに固定的になる仮名字母と、とくに固定的でない仮名字母があり、後の平仮名と片仮名という仮名の二類のあり方と関連するものと考えられる。
日本語史