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2016 年度 実施状況報告書

琉球方言発達過程解明のための宮古群島域における言語地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K02569
研究機関岡山大学

研究代表者

又吉 里美  岡山大学, 教育学研究科, 講師 (60513364)

研究分担者 中島 由美  一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (20155732)
小嶋 賀代子 (下地賀代子)  沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (40586517)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード琉球方言 / 宮古方言 / 日本語学 / 言語地理学
研究実績の概要

本研究の目的は、宮古群島域を対象に、音声・文法面を中心とした地域差に注目した調査を実施し、言語地理学的手法を活用して言語変化過程の推定につなげることである。また、次世代への言語継承および言語文化の保存等を目的として、音声動画付き地図を作成することである。平成28年度における本研究の実施状況は以下のとおりである。
①宮古島西部および北部地域、多良間島を中心とした調査の実施(第2回本調査:平成28年8月/補充調査:平成29年3月)②調査データの整理、③音声動画付き地図の作成
研究の具体的な内容は次のとおりである。①については、平成28年度は8月に宮古島西部(荷川取など)および北部地域(島尻、狩俣など)を中心とした調査を第2回本調査として実施した。調査は原則70歳以上の高年層を対象とし、調査項目として1)音韻、2)語彙について調査をおこなった。また、平成29年3月には、多良間島にて同様に1)音韻、2)語彙の調査をおこなった。②については、本調査、補充調査の調査のデータ整理である。 特に、中舌母音の出現状況についてデータの整理をおこなった。③については、ビデオで記録した動画データを用いて、音声動画付き地図を試作した。英語話者は音声習得において、音声の聴覚情報および唇の形の視覚情報の二つの情報を統合して音声を習得していると考えられている。このことから、宮古方言においても、中舌母音の他、両唇摩擦音などは音声のみならず唇の形も音声習得に有用であると考える。言語継承に活用できるよう形式や効果的な使用についても考えながら作成したいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成28年度内に行うべき調査はおおむね遂行できたものの、文法項目の調査に遅れが生じているが、音韻、語彙については予定どおり遂行できている。その他、平成28年度の研究内容として予定していたもののうち、遂行できていないものは以下の3つである。
①調査データの整理、②言語地図の作成、③宮古島および宮古島周辺群島域における言語変化過程の分析、及び変化モデルの構築とその検証。
①については、調査データの整理がやや遅れている。また、平成28年度に予定していた地域の調査が遂行できずに、来年度に見送った調査地点が数カ所ある。②については、地図作成については音声付き動画を地図内に埋め込む形式にするため、動画の該当部分の切り取りおよび編集作業にやや時間を要している。③についても、地図作成と連動した分析、考察であるため、変化モデルの構築と検証までに至っていない状況である。

今後の研究の推進方策

本研究課題における今後の推進方策は以下のとおりである。
①平成28年度に実施した調査のデータ入力と整理を速やかに行い、調査データの分析を進め、研究論文等で調査資料として発表する。
②音韻、語彙の分布状況から言語変化過程についての分析する。
③文法についての調査項目については、再考するとともに、調査票を改訂し、調査を行う。
④平成29年度は残りの地点についての調査を行い、データ分析および変化モデル構築のための資料をそろえる。
⑤音声動画付き言語地図を地図集として作成するとともに、保存継承における活用について検討していく。

次年度使用額が生じた理由

研究協力者の旅費として計上していた分に差額が生じたため。

次年度使用額の使用計画

調査費に組み込んで使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] O percepciji srpskohrvatskih akcenat na osnovu japanskog jezickog osecanja(Zbornik Matice srpske na filologiju i lingvistiku, XXIV/1(1981), 151-163, 改定のうえ再掲)2016

    • 著者名/発表者名
      Yumi Nakajima
    • 雑誌名

      Serbica Iaponica

      巻: ― ページ: 99-110

    • 査読あり
  • [学会発表] 「多良間方言の「基礎語彙辞典」作成の試みー実践報告ー」2016

    • 著者名/発表者名
      下地賀代子
    • 学会等名
      第11回琉球諸語研究会
    • 発表場所
      品川区民第一集会所の第二集会室(東京)
    • 年月日
      2016-12-18
  • [学会発表] 「多良間方言(多良間島・水納島)形容詞の叙述法断定の形式」2016

    • 著者名/発表者名
      下地賀代子
    • 学会等名
      2016年度(第39回)沖縄言語研究センター研究発表会
    • 発表場所
      琉球大学(沖縄)
    • 年月日
      2016-07-02
  • [図書] 『つかえる たらまふつ辞典―多良間方言基礎語彙―』2017

    • 著者名/発表者名
      下地賀代子(編著)
    • 総ページ数
      435
    • 出版者
      多良間村教育委員会

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公開日: 2018-01-16  

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