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2017 年度 実績報告書

並列表現形式の生成と展開に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K02570
研究機関岡山大学

研究代表者

京 健治  岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (60284014)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード並列表現 / 文法史 / 転成 / 「不十分終止」用法 / 助詞「ば」 / シシ語尾形容詞 / 接続助詞「し」
研究実績の概要

日本語に於いて並列表現に与る形式・助詞は、他の文法形式からの転成によるものが多い。並列表現史を記述するにあたっては、まずは、並列表現に与る諸形式が如何なるプロセスによって、並列の意味を担うようになったのか、さらに、各々の形式の意味用法の展開を記述する必要があろう。今年度は、「昆虫が好きな人もいれば嫌いな人もいる。」といった「~も…ば、~も…」形式の成立に関して考察を行った。当該形式は「ば」による条件表現からの転成によるものであり、近世後期頃から見られるようになっている。条件表現に与っていたものが、如何にして並列用法を派生させたのか、それが近世後期頃に行ったのはなぜかを課題とし、その発生の背景に、「ば」による条件表現が、確定条件から仮定条件へとその条件表現表現の性格を転じることを述べた。
また、シシ語尾形容詞には、「命はおしし所領はほししをしやほしやのがき侍。」(今川了俊)のように、対比的表現に使用されるものがあり、現代語に言う接続助詞「し」による表現に相当する語法が見られる。このシシ語尾形容詞による並列表現は、近世期の文文学作品での会話の箇所にも見られ、口頭語として使用されていたと考えられる。シシ語尾形容詞によるこうした用法の性格を検討するとともに、並列表現史での位置付けを試みた。
並列表現史を記述する上では、過去から現代に至るまでにあって、並列表現に与っていたと思しい諸形式を抽出するという基礎的な作業が不可欠であろう。本研究はそうした観点から、上記の二つの事象を取り上げた次第である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 並列表現「~も…ば、~も…」の成立小考2018

    • 著者名/発表者名
      京 健治
    • 雑誌名

      岡大国文論稿

      巻: 46 ページ: 43-54

  • [学会発表] シシ語尾形容詞発生の経緯一面2017

    • 著者名/発表者名
      京 健治
    • 学会等名
      中部日本・日本語学研究会(第76回)

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公開日: 2018-12-17  

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