痛みに関する語彙の地域差はあるものの、オノマトペを除くと種類は多くはない。また、痛み語彙の記述をJ-MPQなどの痛みの評価を行う検査にあわせて記述・試作したが、現場での使用の見込みは高くない。この点では、当初の予想とは異なる結果であった。 他方、理学療法士に対するアンケートからは以下の3点が明らかになった。①患者の方言がわからない経験を持つ理学療法士は約半数であること。②その患者は医療機関の所在地に近い地域の者が半数であること。③理学療法士が必要とする方言は症状・程度・頻度・病名に関する方言であること。さらに、インタビュー調査からは、行事、生活全般に関する語彙なども必要であることがわかった。
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