研究課題/領域番号 |
15K02582
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
橋本 礼子 (舩木礼子) 神戸女子大学, 文学部, 准教授 (00454736)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 方言文法 / 推量表現 |
研究実績の概要 |
平成27年度の研究実績は次のとおりである。 まず、長門(山口県北部)や石見(島根県西部)の方言資料や、過去に記録された方言資料等や既に刊行されている方言地図を用いて、推量表現形式や確認要求表現の用例を抽出し、これまでの当該形式の意味・用法や使用傾向を確認した。この作業によって、ことばの変化を考えていくための出発点となるデータを得た。 また、長門・石見地域での臨地面接調査の前段階として、本研究で使用する調査票を作成し、関係諸地域において準備調査を行うとともに、本調査のためのインフォーマントの確保に向けて依頼等を行った。山口県徳佐、須佐、萩、島根県津和野、益田で実施した準備調査によって、本調査で注目すべき事象や調査地域の選定のための情報を得た。 3つ目の実績として、国立国語研究所のプロジェクト(FPJD)「方言の形成過程解明のための全国方言調査」における推量表現に関する調査結果の分析を進め、言語地理学フォーラムでの発表(6月7日、於国立国語研究所)、および論文「推量表現形式の分布とその変化―地域共通形式への収斂と脱推量形式化―」の執筆を行った。なおこの論文は次年度刊行予定の論文集『空間と時間の中の方言』に編まれる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に記載した平成27年度の研究実施計画に概ね沿っており、(1)談話資料および方言地図の分析、(2)調査票の作成、(3)調査の準備、(4)国立国語研究所のプロジェクト(FPJD)調査結果の分析、のいずれも進んでいることから、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は研究実施計画に従い、次のことを実施する予定である。 (1)平成27年度の準備調査の結果をふまえて、本調査としての臨地面接調査による文法データの収集と整理を行う。長門・石見地域で、生え抜きのインフォーマント(老年層・中年層・若年層)各数名に面接調査を実施し、推量表現・確認要求表現およびその周辺的意味を担う形式群に関する詳しい文法の情報を収集する。 (2)本調査で得たデータから、推量表現・確認要求表現およびその周辺的意味を担う形式群に関する分析を進め、文法記述を行う。 (3)国立国語研究所のプロジェクト(FPJD)「方言の形成過程解明のための全国方言調査」で得た全国方言データのうち、推量表現に関するデータの分析結果を活用し、本研究の方言間対照に役立てる。 また、平成29年度には平成28年度の本調査を補充する補足調査等を実施した上で、研究成果をまとめていく。
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