研究実績の概要 |
現代英語における文法化現象に関して、学会での研究発表を1件、当該学会機関誌に学術論文を1編掲載した。現代英語において、N1 of N2という表面連鎖の名詞句が部分構造から擬似部分構造へと文法化する現象が観察されるが、動物の群れを表すherd, flock, swarm, school, prideを含む用例を分析すると、擬似部分構造への文法化の進展の度合いが項目間で段階的に異なることを、コーパス調査と統計的データ解析を通して、実証した。さらに、観察される段階的順序を引き起こす要因を検討した結果、当該構造における対象項目の使用頻度や本来的意味の特殊な豊かさはそれほど説得的な要因とは言えない。その一方で、当該項目の否定的意味合いが強いほど、否定的な意味合いの語を引き寄せる力が強く発揮され、その結果として、共起語の種類の拡大と本来意味の希薄化を招き、擬似部分構造へと文法化する要因となりうることを論じた。
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