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2018 年度 実績報告書

現代英語における音形・語形の変異と頻度効果

研究課題

研究課題/領域番号 15K02588
研究機関北海道教育大学

研究代表者

福田 薫  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50261368)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード文法化 / 頻度効果 / 統計解析 / 母音短化
研究実績の概要

現代英語のN1 of N2という形式の名詞表現において、一部のN1に意味機能上の変化が見られる。すなわち、N1が容器、グループや集合、材料などを表す名詞のとき、N1の本来的な意味が薄れて、N2の分量を表す語法が観察される。本研究では、現代アメリカ英語のコーパスを使って、本来、動物の群を表す語(herd, flock, swarm, school, pride)の用例を調査した。語彙的名詞から分量詞への文法化の進展度を定量的に測定するために、 (1)N1と共起するN2が本来系ではない拡張系のタイプである割合、(2)N2が名詞表現全体の主要部と解釈できる割合という語法の実態を調査し、その結果を統計的に解析した。その結果、(1)については {swarm} > {flock} > {herd, pride, school}、(2)についても{swarm} > {flock, school} > {herd, pride}という、ほぼ同様の順位付けが得られた。swarmが特に高頻度でないにもかかわらず文法化がもっとも進んでいる理由は、swarmに伴う否定的プロソディが際立って高いためだろうと推測される。
ooという綴りを含む語の一部では、[u:]から[u]への短母音化が進行中である。本研究では、Wells(2008)のデータを用いて、短母音化の語彙拡散にかかわる要因を検討した。その結果、当該母音が閉音節、後続子音が無声音、閉鎖音、軟口蓋音であれば短母音化が促進され、各要因が重複すると短音化の傾向がさらに強まる。また、複合語の第2要素の位置にある母音は強勢を受けないため、短音化が有意に促進される。一方、broom, groom, roofなどは特に高頻度でなくても短音化しつつあるのは、高頻度で使用されるroomとの音韻的類似性に基づいて類推が働くためであろうと推測される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 英語における擬似部分構造への文法化と共時的変動~動物の群を表す語を対象に~2018

    • 著者名/発表者名
      福田 薫
    • 雑誌名

      函館英文学

      巻: 55 ページ: 15-37

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 現代英語における短母音化と頻度要因~[u:]~[u]の事例を中心に~2018

    • 著者名/発表者名
      福田 薫
    • 雑誌名

      函館英文学

      巻: 57 ページ: 15-31

    • 査読あり
  • [学会発表] N1 of N2構造と数の一致~文法化の観点から~2018

    • 著者名/発表者名
      福田 薫
    • 学会等名
      函館英語英文学会
  • [学会発表] 名詞から分量詞への文法化の程度を測る2018

    • 著者名/発表者名
      福田 薫
    • 学会等名
      日本英文学会北海道支部
  • [備考] 北海道教育大学 研究者総覧

    • URL

      https://kensoran.hokkyodai.ac.jp/huehp/KgApp?kyoinId=ymkigggggyo&keyword

  • [備考] 北海道教育大学函館校 福田研究室にようこそ~私の研究

    • URL

      http://www2.hak.hokkyodai.ac.jp/fukuda/research/research_index.html

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公開日: 2019-12-27  

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