言語の要素はさまざまな要因により変異や変化を示すが、現代英語においても、特定の語彙において従来の長母音が短音化する現象や、本来の名詞的意味が薄れて数量を表す表現に意味的・機能的に変化する現象が観察される。本研究では、[u:]が[u]に短母音化する要因として、当該母音を含む語の使用頻度は説得的な要因とは言えないが、高頻度語との類似性に基づく類推が作用している可能性を示唆した。動物の群を表す名詞の分量詞への機能変化に関してコーパスからデータを抽出して分析すると、変化の進展度に関して有意な差が観察された。ここでも名詞の使用頻度そのものが機能変化に直接的に関与するという証拠は得られなかった。
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