研究課題/領域番号 |
15K02633
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
伊集院 郁子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (20436661)
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研究分担者 |
李 在鎬 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (20450695)
野口 裕之 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 名誉教授 (60114815)
小森 和子 明治大学, 国際日本学部, 専任准教授 (60463890)
奥切 恵 聖心女子大学, 文学部, 准教授 (70410199)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 作文評価 / 大学教員 / 専門教員 / 日本語教員 / 初年次教育 / 日本語意見文 / 留学生 / アカデミック・ライティング |
研究実績の概要 |
本研究は,大学教員が日本人大学生及び留学生が執筆した日本語意見文をどのように評価しているのかを明らかにすることを目指している。 H29年度は,前年度に引き続き大学教員(人文社会系専門教員)から意見文30編に対する評価データ(5段階評定値及び評価コメント)を収集し,最終的に44名分(日本語教員,専門教員各22名ずつ)の本調査データを集めたうえで以下の研究を行った。 ①意見文30編のうち,同等の評定結果となった母語話者と学習者の意見文3組計6編に対する評価コメントから,大学教員による評価の観点を探索的に抽出し,その特徴を分析した。「母語話者作文と学習者作文の評価の観点を探る:評定結果が同一の作文の評価コメントの比較」というタイトルで第3回アジア圏学習者コーパス国際シンポジウムにおいて神戸大学でポスター発表を行い,その後『Learner corpus studies in Asia and the world. Vol. 3』に研究論文として投稿した。 ②大学教員44名の評定値をコンピュータによる自動評価と比較し,作文の良し悪しの評定にどのような言語計量的な側面がどの程度影響しているのかを分析した。「IRT系モデルとReadabilityによる日本語作文の定量的分析―大学教員による評価とコンピュータによる自動評価の比較―」というタイトルで2017年度日本語教育学会秋季大会で口頭発表を行い,良い作文に見られる言語的特徴について報告した。 研究期間全体を通じ,大学進学を目指す留学生が日本語で書く力について,「書かれた文章そのもの」「大学教員の評価の観点」「学習者要因(母語)」の側面から多角的に捉えることが可能となった。さらに精緻な分析を進めることによって,日本の大学で学ぶ留学生に必要とされるアカデミック・ライティングの評価基準やルーブリックを作成し,教育・学習に役立てることができると考える。
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