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2015 年度 実施状況報告書

文章表現における対話的教室活動のデザインと評価基準の構築

研究課題

研究課題/領域番号 15K02638
研究機関三重大学

研究代表者

原田 三千代  三重大学, 教育学部, 特任講師(教育担当) (50543211)

研究分担者 中尾 桂子  大妻女子大学, 短期大学部, 准教授 (20419485)
福岡 寿美子  流通科学大学, 商学部, 教授 (60330487)
田中 信之  富山大学, 国際交流センター, 准教授 (80288331)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード評価活動 / 対話的推敲活動 / ルーブリック / 内省 / 協働研究
研究実績の概要

本研究は、学生間の相互作用によって主体的な授業への参加や思考の進化をactive learningの観点から、大学の文章表現(academic writing)の教室活動を見直し、新たな教室活動のデザインと評価基準の構築をめざしたものである。そのために、評価活動として、対話的推敲(自己推敲および学習者同士による他者推敲)とルーブリックにおける内省を教室活動の中に埋め込むというデザインをし、5つの教育機関の研究者と共同研究を行う。
対象者は、学部生、短大生、留学生、その混合であり、教室活動として学生同士の推敲活動(ピア・レスポンス)を3種類(①対面・同期の活動、②LMSを活用した非対面・非同期の活動、③それらを組み合わせたブレンディド型)を組み込んだ。それぞれの対象者や機関に合わせて、活動の様式を変化させた。
当初の目的は、文章表現の教室活動における学習者の相互作用、産出物、意識の変化を分析して、総合的に見ることであった。27年度の実践の中で、多様な教育機関の対象者による教室活動を共同で研究するにあたり、学習目的やルーブリック(評価規準)を共同で考えることにした。これまで共同研究を経験したことがほとんどない研究者が、共同研究に取り組むにあたり、どういう問題意識をもっているか、どのような共同研究の展開になるかを見ることで、共同研究のあり方にも焦点をあてて考察できるのではないかと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

個々の研究成果を集積するというより、共同で研究目的を達成することにより重きを置くことを考えている。2016年度の教室活動の実践に向けて、研究者間で学習目標を考え、それに見合ったルーブリック(評価規準)を考案した。対象者、機関による微調整を行い、実践を通して対話的推敲や評価を行う教室活動の問題点や意義を考察したいと考えたからである。

今後の研究の推進方策

共同でアカデミック・ライティングにおける学習目標、およびルーブリックを考案し、2016年度前期に、それぞれの教育機関で実践する。
実践後、9月に、どのような実践であったか、問題点、改善点などを話し合い、得られたデータの分析を行う予定である。特に、分析方法についての合意が得られていないので、どのように分析するかを話し合い、持ち寄ったデータを分析してみる。

次年度使用額が生じた理由

PC購入の金額が予定額より抑えられた。
プリンターが故障していたため購入を考えていたが、修理ができたので、ポータブルのプリンターを次年度、購入することを考えている。

次年度使用額の使用計画

余った金額は、プリンターの購入と、海外の学会への参加費用の補充として使いたい。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 4件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 対話的推敲活動を通した文章テキストの変化2016

    • 著者名/発表者名
      原田三千代
    • 雑誌名

      三重大学教育学部研究紀要

      巻: 第67巻 ページ: 411-423

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 学部留学生と日本人学生によるピア・レスポンスの試み―対話的教室活動の観点から―2016

    • 著者名/発表者名
      福岡寿美子
    • 雑誌名

      日本語教育論集

      巻: 第25号 ページ: 41-48

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 文章表現クラスでの教師間協働の実践と課題:2013年度の場合から2016

    • 著者名/発表者名
      中尾桂子
    • 雑誌名

      大妻女子大学紀要―文系―

      巻: 48 ページ: 1-12

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 文章産出過程における辞書使用―中国人の場合―2015

    • 著者名/発表者名
      田中信之
    • 雑誌名

      日本語教育

      巻: 162号 ページ: 113-127

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 対話的推敲活動を通した文章テキストの変化―『日本語表現』のクラスレポートをもとに―2016

    • 著者名/発表者名
      原田三千代
    • 学会等名
      大学教育研究フォーラム
    • 発表場所
      京都大学(京都府・京都市)
    • 年月日
      2016-03-17 – 2016-03-18
  • [学会発表] 留学生の論述パタンから見るレポート指導の方向性―日本人学生の期末レポート、院生、研究者の学術論文との比較を通して―2015

    • 著者名/発表者名
      中尾桂子
    • 学会等名
      第19回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム
    • 発表場所
      Bordeaux(France)
    • 年月日
      2015-08-27 – 2015-08-29
    • 国際学会
  • [学会発表] アカデミック・ライティングにおけるピア・レスポンスと評価の関係ー2012年度~2014年度にかけての実践からコースデザインを再考する―2015

    • 著者名/発表者名
      中尾桂子
    • 学会等名
      CAJLE2015年次大会
    • 発表場所
      Vancouver(Canada)
    • 年月日
      2015-08-21 – 2015-08-22
    • 国際学会
  • [学会発表] 学部留学生と日本人学生によるピア・レスポンスの試み2015

    • 著者名/発表者名
      福岡寿美子
    • 学会等名
      CAJLE2015年次大会
    • 発表場所
      Vancouver(Canada)
    • 年月日
      2015-08-21 – 2015-08-22
    • 国際学会
  • [学会発表] 日本語文章表現授業におけるeピア・レスポンスの実践と課題―学習者の教室外での活動に注目して―2015

    • 著者名/発表者名
      浅津嘉之
    • 学会等名
      言語文化教育研究学会
    • 発表場所
      石川県政記念しいのき迎賓館(石川県・金沢市)
    • 年月日
      2015-06-15 – 2015-06-15
  • [図書] フィードバック研究への招待  第5章2015

    • 著者名/発表者名
      原田三千代
    • 総ページ数
      40
    • 出版者
      くろしお出版

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公開日: 2017-01-06  

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