| 研究課題/領域番号 |
15K02641
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| 研究機関 | 福岡教育大学 |
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研究代表者 |
竹本 英代 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (50294484)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 日本語教育 / 日米外交 / 日本語学校 / 日本語 / 日本文化 |
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| 研究実績の概要 |
平成２７年度は、戦時下体制における日本語学校の意義を明らかにする研究として、１９４０年以降のカリフォルニア州内の新聞記事を収集し、全体像を把握することを目的としていた。新聞記事については、立命館大学修学館リサーチライブラリーと同志社大学図書館において『羅府新報』（マイクロフィルム）から調査を行った。また、アメリカ公文書館メリーランド大学アーカイブズⅡにおいて、１９４１年に事業化された日系二世を対象とした日本語教科書の編纂に注目しながら、日本語学校の対応と統制に関する資料調査を行った。
平成２７年度に調査した資料群は、アメリカ側の（A)FBIによる日本語学校関係資料、（B）CIAによる日本語学校調査資料、（C）ダイス反米活動委員会による日本語学校調査資料である。
以上の資料調査の結果、１９４０年以降、カリフォルニア州の日本語学校では、時局に対応してアメリカニズムを標榜する具体的な取り組みが実施されたことを明らかにした。そして、１９４１年２月から新しい日本語教科書の編纂事業が開始され、日本の国民学校制度や国民科国語を参照した第二外国語としての日本語教科書が編纂されようとしていたことを解明した。米主日従を指針として、日米の「架け橋」となるアメリカ市民養成を求めていた日本語学校では、日米関係が悪化する状況のなかで、日本産の教育論や国民科国語をモデルとした教科書編纂が志向されていた。そして、日米両文化が共有する道徳性を習得するための日本語教科書を編纂していく方向性が打ち出されていたことを確認した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成２７年度は当初に予定していた資料調査は完了した。しかし、調査した結果、日本語学校に直接関係する資料は十分に得られず、別の視点から資料を収集していくことが必要であることがわかった。平成２７年は１９４０年から１９４１年までを中心に資料を分析し論文を作成を行った。その結果、アメリカニズムを標榜する事業として日本語教科書が編纂されていった過程が明らかになった。
しかし、平成２７年度に収集したダイス反米活動委員会の資料を使用して、１９４２年の日本語学校の統制の実態について研究するまでには至らなかった。平成２７年度の資料調査と研究はおおむね進展しているが、１９４２年以降の日本語学校の状況や全体像を把握していく研究は次年度以降の課題として残った。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成２８年度は、平成２７年度に収集した資料のなかで、ダイス反米活動委員会の資料を用いて日本語学校が統制されていく状況について明らかにする。その後、戦時下全体を見通すために抑留地の資料調査を実施し、日本語学校が太平洋戦争後に再生していった過程を実態的に解明していきたい。
具体的には、戦後、カリフォルニア州で実施された日本語学校の協同システムに注目して資料調査や研究を進めていきたいと考えている。
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