研究課題/領域番号 |
15K02642
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金 テイ実 九州大学, 学内共同利用施設等, 講師 (30733323)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 満洲 / 間島地域 / 朝鮮人 / 日本語教育 / 日本人教師 / 宗教団体 |
研究実績の概要 |
本研究は20世紀初期から「満鮮一体」として、植民地朝鮮とともに日本の植民地支配において重視された満洲間島地域において行われた日本語教育について研究するものである。特に、間島の日本語教育に関わった日本人教師にスポットを当てて、間島地域の日本語教育に与えた役割を明らかにすることである。これによって、戦後日本語教育が「地域の外国語教育」として継続・継承された過程の分析につながり、現地における今後の日本語教育の発展に本研究が一助となると思われる。 本研究は文献研究であるため、本年度は既に中国の档案館と図書館で収集した史料から間島の日本語教育に携わった人物に視点を置いて、もう一度読み直し、分析を行った。また、補充作業として中国の档案館と図書館への調査を行い、入手した史料やデータの整理と検討を行った。 史料分析と調査によって、宗教団体を通して日本語教育に関わった日本人教師、朝鮮半島と同様の「模範教育」を推進するために教育者として間島に渡った日本人教師、ある目的を持って間島に渡った日本人教師の一部の実態が明らかになった。 以上の、調査研究の成果を論文としてまとめ、複数の学会、研究会、シンポジウムで発表を行い、修正訂正したものを日本国内や海外の学術雑誌に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の遂行に向けて、文献を読み直し、中国への史料調査も行った。しかし、日中の政治情勢により閲覧できなかった史料もあったが、新史料の発掘もできており、順調に進んでいると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
今まで韓国で収集した史料から間島の日本語教育に携わった人物に視点を置いてもう一度読み直し、分析を行うと同時に、韓国の図書館に向かい、朝鮮総督府関係資料の調査を行う。また、中国・韓国の史料をすり合わせて検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
図書の購入を少なくしたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
史料調査に費用がかかるため、図書費から調査費にまわしもらいたい。
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