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2015 年度 実施状況報告書

日本語学習者の多義語の意味推測を促す要因の検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K02656
研究機関明治大学

研究代表者

小森 和子  明治大学, 国際日本学部, 准教授 (60463890)

研究分担者 早川 杏子  関西学院大学, 日本語教育センター, 講師 (80723543)
李 在鎬  筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (20450695)
玉岡 賀津雄  名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (70227263)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード漢字二字熟語 / 日本語学習者 / 意味推測 / 日中同形語
研究実績の概要

平成27年度は、基礎研究期間で、漢字二字熟語のデータベースの構築を行った。具体的には、日本語能力試験N5からN2までの漢字二字熟語をピックアップし、データベースの枠組みを作成し、日本語として用いられる場合の日本語の意味、品詞を、『新明解日本語辞典』の記述をデータベースに入力した。また、中国語でも用いられるかどうか、用いられる場合には、どのような意味、品詞であるかを、『現代漢語詞典』を参照し、日本語と同様にしてデータベースに追加した。
この作業を遂行する中で発見された問題点を解決するために、平成27年度の上半期は5回ほどの研究打ち合わせを、明治大学や名古屋大学で行った。
データベースの作業がある程度見通したついたところで、下半期は、平成28年度に行う意味推測に関する実証研究の研究計画を立て始めた。また、そのために、文献調査や専門家ヒヤリングなどを実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成27年度は基礎研究の期間であり、データベースの構築が主たる目的であったが、その目的はおおむね達成できている。また、平成28年度から行う意味推測の実証実験のための、対象語の抽出に取り掛かる準備ができるところまで、平成27年度は行うことができている。よって、おおむね予定通りに進んでいると言える。
ただし、データベースの構築に際して、漢字二字熟語で表記するか否かの、標準的表記の基準について、絶対的基準が見当たらず、漢字二字熟語として認定するかどうかの判断に時間を要した。また、参照している辞書の見出し語の分類と、意味記述の区分について、辞書内に誤植や解釈の不明な点が見つかり、それらの確認などにも予想以上に時間を要した。
さらに、研究者の1名がアメリカに長期行くこととなり、また、ほかの1名が名古屋から関西に異動になる等、作業が進みにくい時期があった。

今後の研究の推進方策

平成28年度の上半期は、意味推測に関する実証実験の準備を行う。これまでのところ、日本語にはあって中国語にはない漢字二字熟語に絞るために、単漢字のレベルでの中国語の意味表象がどのようなものであるかを確認しているところである。
さらに、日本語としての単漢字の意味表象についても、辞書を参照しながら、確認し、対象語の絞り込みのための、語彙特性の統制を実施する。
その後、対象語を抽出し、調査用紙を作成し、9月の上旬から11月の間にかけて、中国の大学で調査を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度に、平成28年度実施予定の意味推測研究について、海外研究者との打ち合わせを予定していたが、基礎研究のデータベースの構築に時間を要し、海外研究者との打ち合わせをする段階になかったため、海外出張を行わなかったため。

次年度使用額の使用計画

平成28年度に意味推測研究を行うため、その調査費用として使用する予定である。また、調査対象語の絞り込みのために、データベースに追加情報を加える必要があるため、その作業の人件費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (27件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 8件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] Language-non-selective lexical activation without its use for sentential interpretation: An event-related potential (ERP) study on the processing of L1 Chinese and L2 Japanese sentences.2016

    • 著者名/発表者名
      Tamaoka, K., Miyatani, M., Zhang, C., Shiraishi, M., & Yoshimura, N.
    • 雑誌名

      Open Journal of Modern Linguistics

      巻: 6 ページ: 148-159

    • DOI

      10.4236/ojml.2016.62015

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 日本語プログラムの妥当性検証の試み-日本語能力試験Can-do自己評価リストを利用して-2016

    • 著者名/発表者名
      小森和子・柳澤絵美
    • 雑誌名

      国際日本学研究

      巻: 8 ページ: 93-118

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Triple operations of rendaku processing: Native Chinese and Korean speakers learning Japanese2016

    • 著者名/発表者名
      Tamaoka, K., Hayakawa, K., & Vance, T. J.
    • 雑誌名

      Journal of Japanese Linguistics

      巻: 32 ページ: 未定

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] www.kanjidatabase.com: a new interactive online database for psychological and linguistic research on Japanese kanji and their compound words2016

    • 著者名/発表者名
      Tamaoka, K., Makioka, S., Sanders, S., & Verdonschot, R. G
    • 雑誌名

      Psychological Research

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 中国語を母語とする日本語学習者によるカラ格主語文の処理メカニズム2016

    • 著者名/発表者名
      穆欣・玉岡賀津雄
    • 雑誌名

      小出記念日本語教育研究会論文集

      巻: 24 ページ: 5-19

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中国語を母語とする日本語学習者の漢語連語の習得 -共起語の違いが誤文訂正に及ぼす影響-2015

    • 著者名/発表者名
      三國純子・小森和子・徐一平
    • 雑誌名

      中国語話者のための日本語教育研究

      巻: 6 ページ: 34-49

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] The incrementality of Mayan Kaqchikel phonological encoding: right or leftwards?2015

    • 著者名/発表者名
      Katsuo Tamaoka, Kyoko Hayakawa, Michael Patrick Mansbridge, Maria Eduardovna Bulaeva, Kexin Xiong, Masatoshi Koizumi, Kuniya Nasukawa.
    • 雑誌名

      Open Journal of Modern Linguistics

      巻: 5 ページ: 135-146

    • DOI

      10.4236/ojml.2015.52012

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 第2言語における動詞特性と格助詞習得の関係:中国人日本語学習者を対象とした活動動詞におけるニとヲの習得2015

    • 著者名/発表者名
      早川杏子・玉岡賀津雄・初相娟
    • 雑誌名

      Studies in Language Sciences

      巻: 14 ページ: 163-183

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] コーパス研究が切り開く新しい日本語教育2015

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 雑誌名

      BATJ

      巻: 16 ページ: 65-78

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 改訂版・構造分類による日本語文法知識テストの開発─中国人日本語学習者のデータによるテスト評価─2015

    • 著者名/発表者名
      早川杏子・玉岡賀津雄
    • 雑誌名

      ことばの科学

      巻: 29 ページ: 5-24

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 中国人日本語学習者の人を表す接尾辞の派生語習得に影響する要因2015

    • 著者名/発表者名
      大和祐子・玉岡賀津雄・初相娟
    • 雑誌名

      小出記念日本語教育研究会論文集

      巻: 23 ページ: 33-45

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日韓中同形二字漢字語の品詞性ウェブ検索エンジン2015

    • 著者名/発表者名
      于劭・玉岡賀津雄
    • 雑誌名

      ことばの科学

      巻: 29 ページ: 43-61

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Constructing initial phonology in Mandarin Chinese: syllabic or sub-syllabic? A masked priming investigation,2015

    • 著者名/発表者名
      Verdonschot, R. G., Lai, J., Feng, C., Tamaoka, K., & Schiller, N. O.
    • 雑誌名

      Japanese Psychological Research

      巻: 57 ページ: 61-68

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Predicting lexical accent perception in native Japanese speakers: An investigation of acoustic pitch sensitivity and working memory2015

    • 著者名/発表者名
      Goss, S., & Tamaoka, K.
    • 雑誌名

      Japanese Psychological Research

      巻: 57 ページ: 143-154

    • オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 仮名はすべて同じように発音されるのか2015

    • 著者名/発表者名
      玉岡賀津雄
    • 雑誌名

      ことばと文字

      巻: 3 ページ: 114-124

  • [雑誌論文] 中国語または日本語を母語とする韓国語学習者のデータによる韓国語文法能力テストの評価2015

    • 著者名/発表者名
      斉藤信浩・玉岡賀津雄
    • 雑誌名

      ことばの科学

      巻: 29 ページ: 25-42

  • [学会発表] 日本語教師は語の難しさをどのようにカテゴリー化するか2015

    • 著者名/発表者名
      李在鎬
    • 学会等名
      第26回第二言語習得研究会全国大会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス
    • 年月日
      2015-12-19
  • [学会発表] 学習中級段階からの日本語通訳者養成のための翻訳N-back訓練法2015

    • 著者名/発表者名
      早川杏子・魏志珍・玉岡賀津雄
    • 学会等名
      日本語教育学会2015年度秋季大会
    • 発表場所
      沖縄国際大学
    • 年月日
      2015-10-11
  • [学会発表] 同形二字漢字語の品詞性に関する日韓中データベースのオンライン検索エンジンの構築2015

    • 著者名/発表者名
      于劭贇・熊可欣・早川杏子・玉岡賀津雄
    • 学会等名
      日本語教育学会2015年度秋季大会
    • 発表場所
      沖縄国際大学
    • 年月日
      2015-10-11
  • [学会発表] 第2言語の聴解における認知メカニズム-語彙,文法,テキスト特性,記憶の個人差のフェイズから-.2015

    • 著者名/発表者名
      早川杏子
    • 学会等名
      第2回 九州大学 留学生センター日本語教育公開講演会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2015-07-25
    • 招待講演
  • [学会発表] 中国人日本語学習者の格助詞の習得とレキシコン―動詞に内在する意味概念と機能語の関係―.2015

    • 著者名/発表者名
      早川杏子
    • 学会等名
      天津外国語大学
    • 発表場所
      天津外国語大学
    • 年月日
      2015-06-24
    • 招待講演
  • [学会発表] 中国人日本語学習者による動詞由来の複合名詞の理解2015

    • 著者名/発表者名
      張婧禕;・早川杏子・玉岡賀津雄
    • 学会等名
      日本語教育学会2015年度春季大会
    • 発表場所
      武蔵野大学有明キャンパス
    • 年月日
      2015-05-31
  • [図書] 日語教学研究2016

    • 著者名/発表者名
      小森和子(著)(張威(総主編)、徐敏民・近藤安月子(主編))
    • 総ページ数
      620
    • 出版者
      外語教学与研究出版社
  • [図書] Handbook of Japanese Applied Linguistics.2016

    • 著者名/発表者名
      LEE,Jae-ho, NAKAGAWA, Natsuko
    • 総ページ数
      535
    • 出版者
      De Gruyter Mouton.
  • [図書] 日本語教育学入門2015

    • 著者名/発表者名
      姫野伴子・小森和子・柳澤絵美
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      研究社
  • [図書] Handbooks of Japanese Psycholinguistics2015

    • 著者名/発表者名
      Tamaoka, K.
    • 総ページ数
      50
    • 出版者
      De Gruyter Mouton.
  • [図書] 日本語教育研究方法と応用 日本語教育基礎理論と実践シリーズ叢書2015

    • 著者名/発表者名
      早川京子
    • 総ページ数
      382
    • 出版者
      高等教育出版社

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公開日: 2017-01-06  

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