研究課題
本研究は、国内の留学生受入拡充により学習者のニーズと習得プロセスが著しく多様化・複雑化した日本語教育の現状に対応すべく、自習時間にデジタル教材などで講義を受講し、授業時間に応用・演習を行う「反転授業型学習」に基づく新しい教育実践モデルを考案・検証し、最終的に新しい日本語教育カリキュラムのモデルを提唱することを趣旨として遂行した。本研究期間に、国内の日本語教育の学習ニーズはさらに急激に多様化した。最も顕著なのが、基礎日本語教育ではなく、国内の企業の国際化の動き、そして労働人国減少問題の影響による外国人労働者の受入れ規制の緩和の動きなどの背景を受けて、「ビジネス日本語教育」「留学生教育」としての日本語教育の教育内容の新開発が求められるようになった。この潮流を察知し、本研究では「反転」型の教育手法、そしてオンラインやデジタル教材の活用を取り込んだ初級・中級の日本語教育モデルを設計し、最終年度には試行的に国内外にて使用しその効果を検証した。反転授業では自宅で講義ビデオなどのデジタル教材を使って学び、授業に先立って知識の習得を済ませる。そして教室では講義の代わりに、学んだ知識の確認やディスカッション、問題解決学習などの協同学習により、学んだ知識を「使うことで学ぶ」活動を行う(Bergman他2012)。この形は、国内における授業展開においても有効であるが、本研究期間において海外(カンボジア・タイ)における初級・中級の学習教材としても活用範囲が広がることが判明し、その試用も実施した。本研究の最終成果としては、現在進行形ではあるが、カンボジアのone visa education centerにて、本研究で開発している教材を実際に活用し、N4までの日本語能力および国内での就職にもつながる教育プログラムを共同開発が実現している。
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