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平成29年度は、平成28年度までの実績をもとに、データ取得の範囲を大学生のみから、大学生とビジネスパーソンに広げ、英語信念の構造、その4技能間の比較、その大学生とビジネスパーソンの比較を行った。また、平成28年度に得られた成果を第47回中部地区英語教育学会において、平成29年度に得られた成果を日本心理学会第81回大会および日本教育心理学会第59回総会において発表した。さらに、上記の成果を学術論文としてまとめ、信州大学教育学部研究論集に投稿し、審査を経て掲載された。
補助事業期間全体を通しては、尺度項目について代表者、分担者により議論を重ねることからはじめ、試行錯誤しながら合計3回の調査を行い、合計4件の学会発表を行い、1編の学術論文としてまとめた。当初の予定では、自己決定理論に基づいた自律性を扱う予定であったが、第1回目の調査の結果、自己決定理論に基づいた自律性と英語・英語学習に対する信念を分離して測定することが極めて困難であることが判明し、英語学習行動に影響する種の信念を探索的に検討することで、英語学習行動を促す信念が自律的学習者の持つ信念であると仮定し、研究を進めることとした。また、近年では英語学力が従来の読む、書くから聞く、話すを加えた4技能で捉える傾向が強くなったことをふまえて、4技能に分けて信念を測定し、それらの関係性を検討する方針を新たに採用した。この方針に従い、大学生とビジネスパーソンに対する質問紙調査を実施し、分析した結果、(a)信念は努力信念、能力信念、結果信念に分けられること、(b)努力信念が英語学習行動を高め、能力信念が低下させること、(c)聞く、話す、読む、書くの4技能の信念は分離されていないことを明らかにした。
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